行動ターゲッティングにおけるオプトアウト方式の問題点   

プライバシー情報のような物で商売をする場合、ユーザーが自身のプライバシー情報を守る権利をどう擁護するのかがポイントになる。それを考えると行動ターゲッティングにおけるオプトアウト方式は問題が多い。主に3つの点をあげてみる。

1.表示されている広告が行動ターゲティングかわからない。
ウェブページに表示される広告がどういう基準で表示されているのか見分ける事は難しい。これは何を意味するかというと、ユーザーはオプトアウトする機会を損なっているという事で、ユーザーが自身のプライバシーを管理する権利を尊重しているとは言えない。

2.収集されたデータの取り扱いが不明。
オプトアウトすることによってデータの収集は止まるかもしれないが、それ以前に収集された情報の扱いについてはどうなるのか?という問題が存在する。もちろん個人を特定できないという建前なので、オプトアウトされたユーザーのデータをピンポイントで使用出来なくするというのは建前上難しい気がするが、オプトアウトが無通知の事後承諾である事を考えると収集されたデータの使用には問題がある。これははてなを使ってマイクロアドが不正に情報を入手していた件でも問題になる部分だ。

3.ユーザーが何を収集されているのか知る手段がない。
アドネットワークは相互に連携しあっているため、どのアドネットワークやアクセス解析がどの情報を取得しているのか把握するのは困難になっている。例えば楽天市場の場合自社以外に8社の広告関連のサービスを利用している。このようにアドネットワークが相互に連動するとユーザーがいつ何処で誰に情報を収集されているのか知ることができなく、オプトアウトしても実際にそれが履行されているかを知ることが難しい。

このようにオプトアウト方式がユーザーが自身のプライバシー情報を守る点で穴だらけなのは明らかだ。私が思うに行動ターゲッティングのようなユーザー属性を使用する広告はオプトイン方式の方が向いている。というのはオプトインにする事でより多くのユーザー情報を取得する事ができるからだ。そうする事で広告の精度をあげる事もできるし、要らない疑惑をかけられる事はない。

残念なことに私たちの社会は利便性と引き換えに何らかのプライバシー情報を切り売りする必要があるわけだが、ユーザーには自身のプライバシー情報をどう扱うのかを自身で決める権利がある。どうも日本のウェブ広告業界はこの視点が欠けているし、ビジネスモデルとして構造的な欠陥があるのではないだろうか?
[PR]

by norah_models | 2012-03-30 15:49

<< SmoothScroll マイクロアドは何をしたかったのか? >>